2005年 08月 04日
旅券のヘボン式

 その時点までに、日本語のローマ字表記について調べた経験でもなければ、パスポートの申請書に、申請者のローマ字名を記入する際に、初めて“ヘボン式”という言葉に触れ、多くの人が、戸惑ったり、それをただ、無視したりしているのでは、なかろうか。

 それまで自分なりに、つづってきた自身のローマ字名が、そのヘボン式によって、国際的な正式名になる直前に、急な変更を余儀なくされる人も、結構な数、いるのだろう。

 この旅券用に定められているヘボン式は、表記を簡略するために?、前々回のエントリで提案した“地方公共団体の正式なローマ字名に伴う英語名”と同じで、長音を表す「Ō」などの上にある横棒など、符号を無視しているため、ここでも“該当者”によっては、どう書たらいいのか、戸惑うことになるのかもしれない。

[SATO - SATOH - SATOU?] WWW上には、その該当者たちなどによる、旅券用ヘボン式ローマ字での氏名表記に不満を訴えるサイトが、いくつか見つかる。

 それらの多くは、日本人に一番多いと言われる姓「佐藤(サトウ)」などの場合に、パスポート用のヘボン式に従った「SATO」では「サ(またはサトー)」になってしまうので、長音を表し「サトー」と読めるよう「SATOH」にしたい、もしくは、フリガナどおり「SATOU」と記してもらいたい、といったもののようだ。

 前者は、要望が無視できない数にまで増えたからなのだろうか、5年くらい前から、特別な理由がなくても認められるようになったし、後者については、どうしても「サトー」ではなく「サト・ウ」と発音するのだと粘れば、旅券事務所の担当者次第かもしれないが、渋々折れてくれるらしい、と推測させられる記述があった。

 この、旅券用ヘボン式における最大の特徴とも言える「SASATO」を、戸惑いつつ不満に思う心理は、市町村名のローマ字表記にも、同じように影響を及ぼしていそうだ。

 今から3年前の梅雨に(嗤)、各地方公共団体のローマ字名を調べてみた結果、ヘボン式で表記されていなかった自治体の大半が、名前に長音「オー(オウやオオ)」を含んでいたのだった。


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by sampu4 | 2005-08-04 12:26 | 地名のローマ字表記

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